フィリピンパブの開業|必要な許可とその費用は?

フィリピンパブに許可は必要?

水商売の世界ではすでに一般的になっているフィリピンパブですが、今やどこの駅近にも1軒はあるのではないかというぐらい多いですよね。

フィリピンパブではお国柄なのか陽気な人が多くサービス精神旺盛な人が多いように感じます。

基本的な営業スタイルは日本のスナックなどと同じようですが、店によっては店内にステージがあってショーなどをやっている店もあるようですね。

そんなフィリピンパブも他のスナックやラウンジなどと同じように、お客の席に一緒に着いて会話を楽しんだり一緒にカラオケを歌ったりするためには許可の取得が必要となります。

これから開業を予定している人の中には、開業するのに許可が必要なのかどうなのか、また、必要ならばどんな許可を取らなければいけないのか気になる方もいるのではないでしょうか。

 

どんな許可があるの?

フィリピンパブの開業で取得する許可には主に2つの選択肢があり、一つは風俗営業許可で、もう一つは深夜営業許可になります。

この二つの許可には大きな違いが二つあり、一つは「接待」に関して、もう一つは営業時間に関してです。

風俗営業許可では「接待」を行うことができるのが最大の特徴ですが、営業時間に制限を受けるため、深夜0時には店を閉めなければなりません。(地域により1時まで)

逆に、深夜営業許可では「接待」を行うことはできませんが、代わりに営業時間の制限がなくなるため深夜0時以降でも営業が可能となるメリットがあります。

ちなみに「接待」とは、先ほど言っているようなお客の席に一緒に着いて会話を楽しんだり一緒にカラオケを歌ったりするようなサービスのことを言います。

この他にも、客と一緒に踊ったり、客の前でショーを見せるのも接待に当たります。

接待に関する解説は▶こちら

 

風俗営業許可?深夜営業許可?どちらを取ればいい?

開業の段階でどちらの許可を取得するかは営業者の自由なのですが、実際にはその店のスタイルにより決まってしまうことになります。

ほとんどの営業者は、接待もしたいし、深夜0時以降も営業したいと考えるのが普通でしょう。

「じゃぁ両方取ればいいじゃない?」

ほとんどの方はこう考えるのではないでしょうか。

しかし残念ながらこの2つの許可を同時に取得することはできないのです。(0%ではありませんがほぼできないと思ってください)

さて、それではどちらの許可を取ればいいのでしょうか。

ここでポイントとなるのは「接待」をするかどうかです。

接待を行うためには風俗営業許可を取らなければならないのです。

 

無許可営業には厳しい罰則がある

深夜営業をしたいのは山々だとは思いますが、先ほど言ったように同時に取得はできないため接待を行う場合は自動的に店の営業は深夜0時までとなります。(風俗営業許可を取るので)

お店によっては深夜営業できないことを嫌ってあえて深夜営業許可を取得して営業している店もありますが、風俗営業許可を取らずに「接待」をしているところを警察に見つかると、無許可営業となり厳しい罰則を受けることになります。

風俗営業許可の根拠法令である風営法では、無許可営業した際の罰則は「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又はこれらの併科」となっており、また、逮捕された場合はその後5年間はこの許可を取ることはできなくなります。そしてもう一つ心配な点として、外国人であれば在留資格にも影響がでる可能性が高いということです。

 

深夜営業許可で営業が可能な場合は?

単純に接待をしないのであれば深夜営業許可で営業が可能となります。

ただし店の営業が接待に当たるかどうかは、ほぼ警察の主観により判断されてしまうため、

「この程度なら接待には当たらないでしょう」

と思っていても警察の判断で接待に当たると判断されてしまえばそれまでです。

ではどのような店ならばOKなのかと言うと、ほぼ問題ないであろう思われるのが、ボックス席が無くカウンターだけの店であれば接待している疑いをかけられる可能性は低いといえるでしょう。

ボックス席があるような店では、うっかり客がいる席に座っているところを警察に見つかってしまうとそれでアウトです。

カウンターだけの店であればそのような心配がなくなるので深夜営業許可で営業してもそれほど問題とならないでしょう。(状況によりますが)

ただし客と一緒にカラオケを歌ったりする行為は接待に当たるので注意が必要です。

 

他に必要な許可はある?

この他に必要な許可として、保健所から飲食店許可を取得する必要があります。

お客に飲食を提供する場合は必ず必要な許可なので例外なくどの店でも取得しなければなりません。

許可の取得は特に難しいところはないため特に問題点となるところもないでしょう。

 

許可取得に費用はいくらぐらいかかる?

許可の取得は自分で手続きを行う場合と、行政書士などに依頼する場合でまったく変わってきますがここでは行政書士に依頼した場合にかかる費用を計算してみます。

まず保健所の許可ですが、必ずかかる費用として保健所へ申請するための申請手数料が16,000円かかります。

食品衛生管理者又は食品衛生責任者がいない場合は、食品衛生責任者の講習を受ける費用として90,00円~10,000円程度、その他に検便の検査費用としてが2,000円前後かかります。

行政書士への依頼した場合の報酬の相場は40,000円~50,000円程度と思われます。

行政書士によっては書類の収集や交通費を別途請求してくることもあるのでその分も頭に入れておいた方がいいかもしれません。

また、風俗営業許可や深夜営業許可の申請と一緒に依頼することで割引になることもあるので、行政書士に事前に確認したほうがいいでしょう。

飲食店許可にかかる費用

保健所への申請手数料:16,000円

食品衛生責任者の講習費用:90,00円~10,000円

検便検査:2,000円前後

行政書士の報酬の相場:40,000円~50,000円程度 (他の許可とセット申請で安くなることも)

飲食店許可取得にはだいたいこの程度の費用を見込んでおけばいいのではないでしょうか。

 

風俗営業許可の取得費用はどのくらい?

保健所から飲食店許可を取得したら次は風俗営業許可の申請をすることになりますが、次の申請先は警察となります。

飲食店許可と比べると手続きの難易度がかなり高くなるため、行政書士以外が手続きを行うのはかなり難しいと言えます。

風俗営業許可の申請でも申請手数料がかかり、申請の際に24,000円必要となります。

必要書類は、行政書士によって報酬に含まれている場合と別途請求される場合がありますのでご注意ください。

取得に費用がかかる書類

・住民票 300円

・身分証明書 300円

・登記されてないことの証明書 300円

・登記事項証明書(建物登記簿) 600円

・顔写真 700円

・会社の登記簿(法人) 600円

行政書士への報酬は上下の幅がかなり広いのですが相場としては、150,000円~200,000円程度と思われます。

最安値としては130,000円程度からありますが、行政書士への依頼に関しては決して料金だけでは選ばずに、相手のスキルと経験値をよく確認することが大事と言えます。

風営法専門の行政書士とそうでない行政書士とでは申請にかかる日数にかなりの差がでることもあるため、依頼する行政書士は慎重に決めることをオススメ致します。

風俗営業許可にかかる費用

警察への申請手数料:24,000円

書類取得費用:2,200円~2,800円

行政書士に依頼:150,000円~200,000円

行政書士に依頼した場合は書類の取得費用は料金に含まれていることが多いので、かかる費用としては申請手数料と行政書士の報酬だけを考えておけば問題ないでしょう。

 

深夜営業許可の取得費用はどれくらい?

深夜営業許可も風俗営業許可と同様に警察へ申請することになりますが、深夜営業許可は実際は届出制なので申請手数料がかかりません。

また作業量も風俗営業許可に比べると少なくなるためその分行政書士の報酬もかなり低く抑えられています。

深夜営業許可の申請手数料は0円です。

必要書類もそれほどないため費用についてはそれほど考えなくてもいいでしょう。

・住民票 300円

・会社の登記簿(法人) 600円

行政書士の報酬の相場は80,000円~100,000円程度と思われます。

風俗営業許可に比べかかる費用が半分程度になるため、費用の面からこちらの許可を選ぶ営業者の方も多いようです。

 

いつから営業できる?

開業するにあたっては非常に大事な点ですが、取得する許可により許可が下りるまでの期間に大きな差がでることになるため注意が必要です。

深夜営業許可の場合は、申請後の手続きの問題がなければ申請からおよそ10程で営業することが可能となりますが、

風俗営業許可では審査の期間にかなり時間がかかるため、申請から許可が下りるまでおよそ55日程度かかることになります。

営業開始については、申請の時点で飲食店許可は取得済みなため飲食店としての営業は可能となりますが、許可が下りるまでの期間は深夜営業許可に関しては深夜営業はできないですし、風俗営業許可に関しては接待を行うことはできません。

 

店の営業スタイルによって取得する許可を決める

フィリピンパブでの許可の取得は基本的には風俗営業許可の取得がメインとなると思われますが、店の規模や場所により営業スタイルに違いがでてくるので、取得する許可はその状況に合わせて選択してみてはいかがでしょうか。

 

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行政書士 光野井良浩