風俗営業許可1号費用
店舗面積 | 基本報酬 | 申請手数料 | |
---|---|---|---|
スナック・キャバクラ・麻雀店 | ~50㎡ | 165,000円 | 24,000円 |
飲食店営業許可 | 22,000円 | 17,600円 |
100㎡以降は50㎡ごとにプラス10,000円
報酬は税込
接待営業をするなら風俗営業許可が必要
風俗営業の店はスナック、キャバクラ、ガールズバー、ゲイバー、ラウンジなどいろいろな呼び方がありますが、許可の取得はこれらの業態によって変わるものではありません。
どのような呼び名の店であっても「接待」を行うのであれば風俗営業許可が必ず必要となります。
接待に関する記事は▶こちら
キャバクラや高級クラブのようなお店であれば迷うことなく取得が必要となりますが、小さなスナックやラウンジなどの場合は深夜営業許可とどちらを取得するか悩むところだと思います。
風俗営業許可では深夜12時までしか営業することができないため、営業時間に制限のない深夜営業許可を取得して営業する店も多いですが、うっかり接待しているところを警察に見つかると無許可営業となってしまうので非常にリスクを伴います。
警察にうっかりたまたまは通じませんので、接待営業と見られてしまうような営業をするのであれば迷わず風俗営業許可を取得するすることをオススメ致します。
風俗営業許可取得に必要な3つの要件
風俗営業許可を取得するためには、大きく分けて3つの要件をクリアしなければなりません。
「人」の要件 ⇒ 申請者、管理者、法人の役員のすべてが欠格事由に該当してないこと
「場所」の要件 ⇒ 営業可能地域であるか、近くに保全対象施設がないこと
「店内の構造」の要件 ⇒ 見通しを妨げる設備や調光設備など設置していないこと
これらの要件を一つでもクリアできなければ許可を取得することはできないため、開業を考えているのであればこれら3つの要件については、事前にしっかりと内容を理解しておきましょう。
申請後に要件をクリアできないことが発覚してしまうと、それまでの準備費用がすべて無駄になってしまうため非常に重要な内容となります。
許可が取れる場所か確認せずに賃貸契約してしまい、契約後に場所の問題で許可が取れないことが発覚するケースは非常に多いです。
場所の問題については事前に調査することが可能なので、賃貸契約をする前に確認しておくことが大切です。
①「人」の要件
風俗営業許可を取得するためには、申請者、管理者、法人申請の場合役員全員が以下の事由に該当していないことが必要となります。
・成年被後見人、被保佐人、破産者。
・過去5年以内に風営法、刑法、売春防止法、児童福祉法等の法律に違反し、懲役、罰金刑等を受けている。
・アルコール、麻薬等の中毒者。
・風俗営業許可を取消されて、5年経過していない。
・営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者。
②「場所」の要件
風俗営業の店はどの場所でも営業できるわけではなく、決められた用途地域の中でしか営業することはできません。
特に、駅から離れた住宅街に近い場所などは、風俗営業ができない地域である可能性が高いため注意が必要です。
用途地域の調べ方は、市役所の都市計画課に直接問い合わせて確認することができます。
店舗のある場所が住居地域である場合は風俗営業許可は取れないため、どんなにいい場所であってもあきらめて他の場所をさがしましょう。
店舗の場所の用途地域を確認する
風俗営業ができる地域
・商業地域
・近隣商業地域
・準工業地域
・工業地域
・工業専用地域
・その他用途が指定されていない地域
風俗営業ができない地域
・第1種低層住居専用地域
・第2種低層住居専用地域
・第1種中高層住居専用地域
・第2種中高層住居専用地域
・第1種住居地域
・第2種住居地域
・準住居地域
店舗の100m以内の保全対象施設を確認する
風営法では善良の風俗と清浄な風俗環境を保持するため、風俗営業を行う店は保全対象施設から一定の距離以上離れてなくてはなりません。
そのため、風俗営業の店は近隣に保全対象施設がある場合は営業することができません。
保全対象施設とは、学校、保育園、幼稚園、大きめの病院、図書館、特別養護老人ホームなどが該当しますが、目安としては店舗から100mの範囲内にこれらの施設がある場合には許可が取得できない可能性があるため注意が必要となります。
保全対象施設に関する記事は▶こちら
この保全対象施設の有無は風俗営業許可を取得する上で非常に重要なポイントとなりますので、店舗を決める際にはまず店舗の周辺を確認し保全対象施設がないことを確認してから賃貸契約をするようにしましょう。
用途地域 | 保全対象施設 | 保全対象施設からの距離 |
---|---|---|
近隣商業地域 工業地域 | ・学校(大学除く) | 100m以上 |
・大学 ・図書館 ・病院 ・診療所(有床のみ) ・児童福祉施設 ・特別養護老人ホーム | 70m以上 | |
商業地域 | ・学校(大学除く) | 70m以上 |
・大学 ・図書館 ・病院 ・診療所(有床のみ) ・児童福祉施設 ・特別養護老人ホーム | 50m以上 | |
風俗営業店密集地域のうち、 公安委員会規則で定める地域 | ・学校(大学除く) | 50m以上 |
・大学 ・図書館 ・病院 ・診療所(有床のみ) ・特別養護老人ホーム | 30m以上 |
学校に含まれる施設
幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校
児童福祉施設に含まれる施設
助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、
児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設、児童自立支援施設及び児童家庭支援センター
児童厚生施設とは ⇒ 児童館、児童センター、児童遊園、こどもの国
③「店内の構造」の要件
店内の構造には風営法において細かいルールがあり、それらの構造要件をクリアしていないと許可を取得することはできません。
特に、客室内の見通し妨げる設備については、警察の実地調査にて指摘を受けやすい点なので注意が必要です。
申請後の図面審査の際、若しくは実地調査の際に構造要件について指摘を受けてしまうと、最悪の場合は工事等をして要件をクリアできる状態にする必要があるため、構造要件の内容については事前に十分理解しておく必要があります。
風俗営業ではその営業形態により、1号から5号まで許可の種類がありますが、ここでは風俗営業許可の申請で特に多い1号営業の構造要件について記載します。
1号営業(スナック・キャバクラ・クラブ)
・客室が2室以上ある場合は、1室の面積が16.5㎡以上でなければなりません。1室の場合は制限はありません。
・客室の内部が外から見えないこと。
・客室の中に見通しを妨げる設備がないこと。
・客室の出入口に施錠ができないこと。外への出入口は除く。
・店内の明るさが5ルクス以下とならないこと。
・カラオケなどの音が外に漏れないような防音設備を備えていること。
工事業者は風俗店の施工経験のあるところへ
店内を大幅に構造変更する場合には、施工業者は風俗店の施工経験がある業者に依頼するようにしましょう。
風営法の構造要件についてまったくわからない業者だと、構造要件をクリアできない構造にしてしまう恐れがあるため、風営法について理解している業者に依頼することが大事です。
また、調理場内も工事をするのであれば、保健所の許可要件についても理解しているか依頼段階で業者に確認しておいたほうがよいでしょう。
警察への申請書類
以下に記載した書類が風俗営業許可申請に必要な一般的な書類となりますが、状況により不要になるものや追加の書類などが発生します。
申請書や店内の平面図については、記載の方法に独特のルールがあるため、一般の方が作成して申請してもすぐに受理してもらうのは難しいと言えます。
風俗営業許可の申請は迷わず専門の行政書士へ相談するようにしましょう。
- 申請書
- 営業の方法を記載した書類
- お店の賃貸契約書のコピー
- お店周辺の概略図
- 住民票(本籍入り)
- 市区町村長の発行する身分証明書(外国人は不要)
登記されてないことの証明書- 用途地域証明書
- お店の入っている建物の全部事項証明書
- 人的欠格事項に該当しないことの誓約書
- 管理者の誓約書(2種類)
- 管理者の顔写真2枚(3cm×2.4cm)
- 飲食店営業許可証のコピー
- メニュー表
- 住居表示証明書 ※登記簿と住所表記が違う場合
- 在留カードの写し(外国人)
※住民票、身分証明書、登記されてないことの証明書は、会社役員全員分必要です。
周辺の概略図
店舗周辺に保全対象施設がないこと、また、営業可能な用途地域内であることを確認するための周辺図になります。
市役所で取得する書類
住民票、市区町村長の発行する身分証明書は市役所で取得することができます。
住民票は必ず本籍地が記載されたものを取得してください。
また、マイナンバーは記載されていないものにしてください。
登記されていないことの証明書
この書類は法務局で取得することができます。
ただし、支局では取得できず本局でしか取得できません。
埼玉県の場合は、さいたま地方法務局でのみ取得することができます。
直接行くのが面倒であれば郵送でも取得が可能です。
用途地域証明書
その住所地の用途地域を証明してくれる証明書になります。
東京都では不要な書類ですが、埼玉県では添付が必要な書類となります。
市役所の都市計画課で取得が可能ですが、大きい都市の場合は本庁舎とは別の庁舎に入っていることがあるため、事前に電話で場所を確認してから行くようにしたほうがよいでしょう。
建物の全部事項証明書
風俗営業許可の申請では建物の登記簿は必要ですが、土地の登記簿は必要ないので間違わないようにしましょう。
この書類も法務局で取れるので、登記のないこと証明書と一緒に取ってしまいましょう。
飲食店許可証のコピー
飲食店許可は警察への申請前に取得している必要があります。
できるだけ急ぎたいのであれば、飲食店許可の申請書に受付印があれば許可証の代用として申請が可能です。
許可証のコピーは発行され次第警察へ提出すれば問題ありません。
メニュー表
メニュー表は、ぼったくり防止対策として提出が義務付けられています。
申請の時点では開業まで2ヶ月以上あるため、ちゃんとしたメニューは決まっていないことがほとんどですが、ある程度予想しているメニューと料金が記載されていればいいです。
ただし、記載の仕方には独特のルールがあるので、警察に確認しながら作成する必要があるでしょう。
住居表示証明書
書類によって、住居表記だったり、地番表記だったりするので、すべて同じ場所であることを証明するため、住居表示証明書等の証明書が必要になるケースがあります。
住居表示証明書は市役所で発行してもらえますが、発行してもらえない市役所もあるのでその都度警察に確認して必要な書類を用意することが求められます。
申請は所轄の警察署へ
風俗営業許可の申請先は所轄の警察署となります。
所轄の警察署とは、店舗の地域を管轄している警察署のことですが、大きな街になると一つの市内に複数の警察署が存在するので、事前にネットで検索して所轄の警察署を調べておいたほうがよいでしょう。
申請先の部署は生活安全課となりますが、申請の際は必ず事前に電話して申請の予約を取ってから申請をするようにします。
風俗の手続きを担当している方は各警察署で多くて2人程度なので、担当者が不在の場合や別の申請で立て込んだりしている場合があるためです。
事前に連絡なしで申請に行くと怒られてしまうこともあるため気を付けましょう。
埼玉県の警察署の管轄及び各連絡先は▶こちら
構造要件を確認される実地調査
申請後、3週間前後で店舗にて実地調査が行われます。
実地調査では提出した図面と店内の構造が完全に一致しているか確認されその他にも風営法の構造要件に違反していないかを確認されることになります。
実地調査には所轄の警察署および浄化協会から人が派遣されてきて店内の調査が行われますが、地域によって、または店舗のビル内の設置場所によっては、そのほかに消防署および市役所からも調査にやってくることがあります。
警察および浄化協会は風営法に関する調査を行いますが、消防署は消防法について、市役所は建築基準法について構造及び設備に違法箇所がないかを調査します。
消防署と市役所の調査は風俗営業許可の調査とは関係ないため、もし消防法または建築基準法に違反している箇所があったとしても風俗営業許可の取得に影響することはありません。
※都道府県により事前に消防の手続きが必要な場合あり。
警察と浄化協会の実地調査でOKがでれば、後は許可証交付を待つだけとなりますが、保全対象施設の問題は許可交付の前日までの期間が対象となるため安心はできません。
許可証の受取りは本人が警察署へ出頭する
晴れて許可交付となったら警察署から連絡が来ますので、警察署へ申請者本人が出頭し許可証を受け取ります。
許可証の受取りは代行取得ができないため、例え行政書士であっても申請者本人に代わって受け取ることはできません。※都道府県により違いがあります。
許可証を受け取ったら当日から営業が開始できますので、許可証は営業所内の見えるところに掲示しておきましょう。
以上で、風俗営業許可取得の手続きはすべて終了となります。
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