ワインバー開業に必要な許可とその手順とは?

ワインバーの開業を計画する際に、開業費やお店で出すワインのことで悩むのは当然のことだと思いますが、それ以外にも飲食店である以上、開業するためには営業許可が必要であることも忘れてはいけません。

ここではワインバーを開業するための営業許可について解説していきます。

 

保険所の許可をとる

なんとなく想像できるとは思いますが、飲食店を開業するためには保健所から飲食店許可を取得しなければなりません。

ワインバーも飲食店であることには変わりないので、開業するためには当然飲食店許可を取らなければなりません。

特に難しい許可ではないので許可取得に必要な要件さえクリアできていれば、自分で申請することも十分可能だと思います。

事前相談に行く

まず、お店のある地域を管轄する保健所がどこなのかを調べなければなりませんが、これはネットで簡単に調べることができます。

ネットで【保健所の連絡先】と入れれば、保健所連絡先一覧のページがでてきますので、そこで各保健所の担当区域を調べることができます。

管轄の保健所がわかったら実際にその保健所へ電話し、「飲食店許可を取りたいんですが」と伝えればOKです。

あちらからいろいろと聞いてきますが、始めての取得であればおそらく一度保健所まできて相談するよう促されると思います。

保健所まで行くのが手間でなければ必要書類等を作成する前に事前相談することをオススメしますが、申請書類を一通りそろえているのであればいきなり申請という形でも問題ないでしょう。

許可取得に必要な設備をそろえる

飲食店許可を取得するためには、いくつか必要な設備をそろえなければなりません。

申請後は保健所の担当者がお店に来て、設備に問題点がないかチェックをされ、そこで問題なければその日から営業が可能となりますが、不備があった場合はそこを改善してからでないと許可が下りません。

許可取得に必要な設備

・シンク(流し)が2槽以上あること。

・調理場が仕切られていること。(調理場の出入口にドアがある。スイングドア可)

・シンクに給湯設備があること。(お湯が出る)

・冷蔵庫に温度計があること。(外から温度が確認できる)

・食器棚に扉が付いていること。

・調理場の床がタイルなど水はけがよいこと。

・客室に手洗い場があり、消毒液あること。

手洗いの設置場所は都道府県などにより違いがあり、「埼玉、神奈川ではトイレ以外に客室内に1つ以上」「東京、千葉ではトイレ以外に従業員用に1つ以上必要(調理場内でOK)」

シンクは、蛇口が一つでも両方にお湯が使えれば問題ありません。

必要書類をそろえる

必要書類はほぼインターネットからダウンロードできますが、自宅にプリンターが無い方は事前相談の際に忘れずにもらっておきましょう。

ただし、食品衛生責任者講習を受講することの誓約書は保健所の窓口でしか手に入らない場合がほとんどなので注意してください。

ちなみに、食品衛生責任者の講習はどこの都道府県でも頻繁に行ってはいますが、すぐに満席になってしまうので受講が必要となった時点で早めに予約しておくことをオススメします。

検便検査はインターネットから安価で検査キットを購入できるのでそれを利用するとよいでしょう。

申請に必要な書類

・営業許可申請書

・営業設備の大要

・店舗付近地図

・店舗平面図

・水質検査成績書(水道水以外の場合)

・食品衛生責任者の資格を証明するもの(調理師免許証、食品衛生責任者手帳等)

・誓約書(食品衛生責任者の資格がない場合、講習を受講することを約す誓約書)

・検便の検査報告書

・法人申請の場合は会社の登記簿

店舗にて実地調査を行う

保健所に必要書類を提出したら、数日後に保健所の担当者が店舗に来て必要な設備の確認が行われます。

設備に特に問題なければ大抵その日から営業が可能となりますが、深夜営業許可申請の際に必要な飲食店営業許可証の発行には1週間程度かかるのでご注意ください。

 

【要注意】飲食店許可で営業できる時間は深夜0時まで!

ここまでの手順で飲食店許可を取得できたならとりあえずワインバーを開業することは可能となります。

ただし、飲食店許可で営業できる時間は深夜の0時までとなります。

レストランやラーメン屋などのように主食の提供をメインとする店であればサイドメニューとしてお酒を提供したとしても営業時間の規制は受けませんが、お酒の提供をメインとするワインバーのような店の場合は深夜0時以降の営業には深夜営業許可の取得が必要となります。

※深夜営業許可は実際は届出制となりますが、ここでは便宜上許可と記載しています。

逆に深夜0時でお店を閉めるのであれば飲食店許可のみで営業することができますが、夜の営業がメインのワインバーで深夜営業をしない店も少ないのではないでしょうか。

後述しますが、深夜営業許可を取得するにはクリアすべき要件がいろいろとありますので開業前にしっかりと確認しておくことが必要となります。

 

深夜営業できない場所もある

ワインバーを開業するのであれば深夜営業許可の取得は必須だとは思われますが、お店の場所によっては深夜営業許可を取得できない地域があるので注意が必要となります。

店舗のある場所が深夜営業できるかどうかは用途地域を調べることで簡単に確認することができます。

市役所へ電話して「用途地域の確認をしたい」と伝え、店の住所を伝えれば用途地域を教えてもらえるので、その地域が下記の営業できる地域に含まれていれば問題ありません。

住宅街などではほぼ許可が取れないので、住宅街などに隠れ家的店としてひっそりと開業する場合は深夜営業許可を取れない可能性があるので注意しましょう。

営業できる地域

・商業地域

・近隣商業地域

・準工業地域

・工業地域

・工業専用地域

・その他用途が指定されていない地域

営業できない地域

・第1種低層住居専用地域

・第2種低層住居専用地域

・第1種中高層住居専用地域

・第2種中高層住居専用地域

・第1種住居地域

・第2種住居地域

・準住居地域

 

店内の見通しを妨げる設備は設置できない

深夜営業の店では客室内に1mを超える高さの設備を設置することができません。

客室内にあるテーブル、イス、棚、間仕切りなどの高さが1mを超えている場合は変更するか工事等を行い1m以下となるようにしなければなりません。

居抜き物件では、借りる前にしっかりと内装や設備について確認しておくことが重要です。

 

調光器(スライダックス)の設置は不可

深夜営業の店では店内の明るさが「20ルクス以下とならないこと」と決められているため、明るさを自由に調整できるスライダックス(調光器)の設置は不可となっています。居抜き物件などで照明用のスイッチがスライダックスになっている場合はボタン式のスイッチに変更しておきましょう。

 

図面作成は最大の難関

この申請で最も難しい作業が図面の作成と言えるでしょう。

図面も1枚だけでなく用途に応じて複数枚用意しなければならず、また、作成するための細かいルールも多いため専門の行政書士以外ではなかなか作成するのは難しいと言えます。

できれば図面作成は最初から行政書士に振ってしまったほうが効率がいいでしょう。

 

申請からおよそ10日程で許可交付

申請先は所轄の警察署となります。

申請内容に問題なければおよそ10日程で営業を開始できますが、警察の書類審査はかなり厳しいので数回程度は書類の訂正を受けるぐらいの覚悟をしておいたほうがよいでしょう。

 

深夜営業許可の取得は専門の行政書士へ

飲食店許可までであれば自分で申請することも十分可能ですし、申請するのにそれほど時間もかからないと思います。

しかし深夜営業許可に関しては、調査しなければならない要件や集める書類も飲食店許可の時とはくらべものにならないので、できれば最初から行政書士に依頼してしまったほうが、結果的には一番安く済むと思います。

深夜営業許可を取得するのであれば、まずは専門の行政書士に相談してみることをオススメ致します。

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行政書士 光野井良浩