バー開業|深夜まで営業するなら警察に届出が必要

バーには深夜営業許可が必要不可欠!

お酒の提供がメインの店では深夜12時以降も営業するのであればこの許可を取得しなければなりません。

12時前で営業を終了するのであれば飲食店許可のみで営業が可能ですが、2次会や3次会で利用することが多いバーでは深夜の時間帯で混みだすことも多いため、深夜営業許可の取得は必須と言えるでしょう。

※深夜営業許可は実際は許可でなく届出ですが、ここでは便宜上許可と記載しています。

主食がメインの店は許可は不要!

お酒の提供がメインの店では深夜12時以降の営業には深夜営業許可が必要ですが、ラーメン屋、レストラン、焼き肉店など主食の提供がメインの店では許可の取得は必要ありません。

ただし、メニューの一つにラーメンやお茶漬けを載せていたとしても、それをもって主食の提供とはならないのでご注意ください。警察に屁理屈は通じませんので。

 

許可の申請はオープンの10日前までに!

深夜営業許可は許可が下りるまで10日程なのでそれほど待ち時間なく許可の取得が可能と言えるでしょう。しかし、申請までに時間をかけては意味がありませんので、オープン日を考慮して申請手続きを自分でやるのか外注するのか検討したほうがよいでしょう。

行政書士に依頼するのであれば、お店のオープン予定日から逆算して2週間程度は期間がほしいところです。飲食店許可を含めた申請であれば3週間あれば取得が可能だと思われます。

 

まずは、許可を取るための要件を確認する

深夜営業許可を取得するには、店の場所が営業可能な用途地域にあることが条件となります。営業可能は地域にあることが確認できればかなりの確率で許可の取得が可能といえるでしょう。

他には店内の構造要件に関してですが、客室内に見通しを妨げる1m以上の設備または構造物があってはいけません。この点については申請のテクニックでクリアすることも可能ですが、場合によっては工事なりをして不要な設備を排除する必要があります。

飲食店許可は事前に取得しておく

深夜営業許可の申請の際には飲食店許可証の写しが必要となるので、警察へ申請する前までには保健所から許可証をもらっておきましょう。

飲食店許可取得については▶こちら

 

物件「場所」を決める

場所」に関しては用途地域だけ確認しておけば問題ありません。

用途地域に関しては市役所に連絡して店の住所を伝えれば用途地域を教えてくれます。

※用途地域については▶こちら

 

1mを超える高さの設備には要注意

構造」要件で注意するのは、客室内にある1mを超える設備に関してです。

風俗営業を行う場合、客室内に1m以上の高さのある設備を置いてはいけません。

たとえば、テーブル、イス、棚、間仕切りなどは床から一番高い部分までが1mを超えてしまうと設置ができないので1m未満のものに変更する必要があります。

特に、客席同士の間にある間仕切りはイスやテーブルなどと違いすぐに交換とはいかないので、居抜き物件の内見の際には注意して見る必要があります。また、スケルトンから始める際も施工業者にしっかりと確認したほうがよいでしょう。

スライダックスは変えておこう!

深夜営業の店では店内の明るさが20ルクス以下とならないことと決められているため、明るさを自由に調整できるスライダックス(調光器)の設置は不可となっています。居抜き物件などで照明用のスイッチがスライダックスになっている場合はボタン式のスイッチに変更しておきましょう。

 

申請書を作成する

書類作成に関してはローカルルールが非常に多く、ルール通りに書いてないとすべて直すよう言われてしまいます。警察のほうで修正してくれることは一切ないのでその都度警察まで出向く必要があり大変手間と時間がかかります。

警察での書類審査はかなり厳しく一字一句の間違えさえも見逃してはくれません。自分で申請する方も警察での書類審査の厳しさに耐えかねて途中から行政書士に依頼する方も少なくありません。

 

必要書類を集める

書類作成と並行して必要書類を集めます。集める書類はそれほど難しくはありませんが、状況により提出書類が増えることがあるので注意が必要です。

住民票を取る

住民票は必ず本籍入りのものを取得してください。

用途地域証明書

用途地域証明書はその名の通り用途地域を証明するための書類ですが、これも市役所にて取ることができるので住民票等と一緒に取ってしまいましょう。

市役所の都市計画課にて大抵15分程度の待ち時間で取ることができますが、市役所によっては当日発行されないところもあるので、その場合は面倒ですが後日再訪することになります。

どうしても用意できない書類がある場合

必要書類のなかには相手の都合などによりどうしても用意できない書類が出てくることがあります。

その場合は申請先の警察との相談となりますが、不可抗力的な理由であれば上申書や理由書等の名目で、その理由を記載して提出することでOKとなるケースが多々ありますので、まずは警察に相談してみるとよいでしょう。

 

店内の測量をする

店の平面図を作成するために店内の測量を行いますが、この作業はこの手続きの中でもかなりしんどい作業といえるでしょう。店の面積によって作業時間は変わりますが、行政書士でも1時間~2時間程度、100㎡を超える店だとさらにかかると思われます。

単位はメートルで、数値は小数点第2位まで測ります。メジャーでも計測は可能ですが、できればレーザー距離計の使用をオススメします。実地調査の際もレーザー距離計で測量されますし、広い店であればメジャーで測量できない部分も出てくるでしょう。

測量すると同時に、音響機器(スピーカー、モニター、カラオケ機等)の台数や配置、機種の詳細についても確認します。また、照明類の個数と配置についても確認します。弊所で測量の際は照度計にて店内の明るさも測定致します。

測量は横方向だけでなく高さについても注意が必要です。高さの面で特に注意が必要なのは「間仕切り」「カウンター前のイス」「テーブルや棚の上の設置物」については要注意です。これらの高さが1mを超える場合は、変えるかどかすかする必要があります。

 

図面を作成する

一般の人がこの申請をできない大きな理由の一つがこの図面作成だと思われます。建築図面ともまったく違いますし、この図面特有のルールに乗っ取って作成しなければならず、この図面が作成できないためこの業務を敬遠する行政書士も多いぐらいです。仮に書類の作成と収集は自分でやったとしても、図面作成だけは専門の行政書士に依頼することをオススメします。

<主な図面>
・平面図
・求積図
・照明配置図
・設備詳細図
・地域略図
・建物見取り図

 

所轄の警察へ申請する

申請の準備が整ったら所轄の警察へ書類を提出します。提出先は警察署内の生活安全課となりますが、提出の際は必ず事前に電話でアポを取ってから行くようにしましょう。いきなり行っても担当が不在だったり先客がいたりするのでいきなり行くのはやめましょう。

そのまま受理されればとりあえず10日程で許可が下りることになりますが、後日書類の補正を受けることもあるので油断はできません。

 

標章を受け取る

許可が下りたら警察まで出向いて標章(ステッカー)を受け取らなければなりません。深夜営業許可では許可証というものはなく標章が許可証の代わり?と言えます。埼玉県では標章の受取りは基本的に申請者本人(行政書士ではなく)が警察まで出向いて受け取る必要があります。標章受け取りの際に風営法のついての注意点などをいろいろ受けることになるので申請者本人が受け取る必要があるわけです。

標章を受け取ったら出入口のドアの横に貼ってください。これで晴れて営業が可能となります。

 

警察の立入調査

地域によっては許可取得後3ヶ月ぐらいのあいだに警察が一度見回りに来ることがあります。その際には真っ先に従業員名簿を確認されるので、従業員の身分証のコピーと従業員名簿はしっかりと店内に保管しておきましょう。従業員名簿に不備があると後日警察署まで出向く羽目になってしまいます。

最近では風俗営業の店だけでなく深夜営業の店にも警察の調査が入りますので、日ごろからしっかりと準備しておきましょう。

 

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クリップ行政書士事務所
行政書士 光野井良浩