デリヘル開業は簡単!?
現在では店舗型の性風俗店の開業がほとんどできなくなってしまったこともあり、新規のデリヘル開業者がものすごく増えているようです。
デリヘルは店舗型と違い場所を選ばないですし開業資金も安く抑えられるので、副業で始められる方も結構いるようです。
また、店舗型と違い許可要件のハードルも低く、手続きも比較的簡単なこともデリヘルの新規開業が増えている要因の一つでしょう。
デリヘル開業には許可が必要!
許可といっても実際は届出制なので必要な要件をクリアしていれば、あとはデリヘルの開業届(無店舗型性風俗特殊営業届)を警察に提出すれば営業は可能となります。(ここでは便宜上営業許可としています)
埼玉県の場合だと、届出後10日ほどで許可書が交付され営業が可能となります。
東京都の場合は届出の10日後から自動的に営業が開始できます。
要件をクリアしていれば許可を取得すること自体は比較的容易ですが、申請の際に警察に書類を受理してもらうのは簡単ではありません。
日ごろ書類作成に慣れていない方が申請する場合は2,3度は警察を往復する覚悟をしておいた方がよいでしょう。
事務所を決める
風営許可などと違い設置場所による問題も生じないので、基本的にはどこでも事務所の設置が可能となります。
マンションの一室で始める方も多いですが、事業の性質上近隣からクレームが来る可能性もあるので事前にリサーチしておいたほうがよいでしょう。
隣近所と問題を起こして大家さんから追い出されてしまうケースも少なくはありません。
デリヘルの事務所はどこでも設置ができますが、オーナーから使用承諾をもらえる物件は非常に少ないので、事務所さがしには結構苦労するという話はよく聞きます。
いい物件があればすぐに抑えてしまったほうがいいかもしれません。
使用承諾書については事前に確認しておく
この届出のなかで最も重要な書類が使用承諾書になります。
物件の契約はほとんどの場合仲介業者とやり取りすることになるわけですが、使用承諾書への記名押印は所有者から直接もらわなければならないのでその点については仲介業者にしっかり確認しておくようにしましょう。
申請書を作成する
事務所が決まって使用承諾書がもらえることが確実であれば、あとは警察に受理してもらえる書類を作成するだけですが、書類審査はかなり厳しく、警察によっては一字一句の間違えさえも許してくれません。
当初、自分で申請した方も警察での書類審査の厳しさに耐えかねて途中から行政書士に依頼する方も少なくはありません。
店舗名を決めておく
最近のデリヘルはほとんどの店舗がホームページ(HP)からの集客だと思いますが、その場合はHP用の店舗名を決めなければなりません。
複数店舗の登録も可能ですが、一つのHPに一つの店舗名を用意する必要があります。
ホームページのドメインを取得しておく
HPの店舗名が決まったら、次はそのHPのドメインを用意しなければなりません。
当然HPごとにドメインが必要となります。
HPの制作を業者に依頼する場合、許可を取得してからでないとドメインを出せないと言われることがありますが、可能であれば先にドメインを出してもらったほうがいいでしょう。
許可取得後だと後から変更届にてドメインの追加申請をすることになってしまい非常に手間がかかってしまうことになります。
使用承諾書をもらう
使用承諾書の様式に決まりはありませんが、申請書等と違い使用承諾書は警察のホームページに様式が載ってないことも多いのでその場合は行政書士がネット上で公開しているものを参考に作成するとよいでしょう。
尚、必要な項目が入っていないと警察で受け取ってもらえないので内容はしっかりと確認しましょう。
オーナーから記名押印をもらうのは仲介業者に依頼するパターンと、申請者が直接もらうパターンがありますが、仲介業者経由や郵送でのやり取りは非常に時間がかかることが多く、開業予定日に間に合わなくなることも考えられるので、オーナーのところへ直接行ってハンコをもらうのが一番手っ取り早いですのでオススメします。
住民票を取る
申請者の方の住民票を取りましょう。
尚、必ず本籍入りのものを取得してください。
法人で開業する場合は役員全員分の住民票が必要となりますのでご注意ください。
建物登記簿を取る
事務所が入っている建物の登記簿(全部事項証明書)を取得してください。
これは法務局であればどこでも取得が可能です。
住居表示証明書が必要な場合も
事務所の住所が住居表示になっていいる場合は、住居表示証明書が必要となることがあります。
この書類は市役所へ行けば発行してくれます。
賃貸契約書の写しを用意する
賃貸契約書は契約内容の部分も含めてできる限りすべてのページをコピーしておきましょう。
住所欄の記載については他の添付書類と同様の記載になってるかしっかりと確認しておくことが必要です。
法人申請の場合
法人申請であれば、会社登記簿と定款の写しも必要となります。
どうしても用意できない書類がある場合
必要書類のなかには相手の都合などによりどうしても用意できない書類が出てくることがあります。
その場合は申請先の警察との相談となりますが、不可抗力的な理由であれば上申書や理由書等の名目で、その理由を記載して提出することでOKとなるケースが多々ありますので、まずは警察に相談してみるとよいでしょう。
事務所の平面図を作成する
図面と言うと少し難しく聞こえますが、それほど難しい図面ではありませんので、定規などを使って書いた手書きの図面でも問題ありません。
平面図では事務所としての使用エリアは赤線で囲って置きましょう。
また、待機所も併設するのであればそのエリアは青線で囲っておくとよいでしょう。
待機所を設置するのか
待機所は必ず必要なものではないのでなくても申請は可能ですが、用意するのであれば必ず申請しなければなりません。
待機所も事務所と同様に、使用承諾書、賃貸契約書、建物登記簿、平面図が必要となりますので、事務所だけで申請するより2倍の手間がかかると思っていいでしょう。
ただし、事務所内に併設するのであれば必要ありません。
また、あとから待機所を新設する場合や増設する場合は、上記の必要書類と変更届を提出することで設置が可能となります。
届出確認書を受け取る
許可が下りる際は警察から連絡が来るので、そうしたら警察へ出頭して届出確認書を受け取ります。実質的にはこの確認書が許可証の代わりになります。
事務所の移転や店舗の増設、待機所の増設の際には変更届と一緒に届出確認書も提出するのでしっかりと保管しておきましょう。
警察の立入調査
許可取得後に事務所へ警察が立入調査に来ることがあります。
その際はまず従業員名簿について確認されるので、従業員の身分証のコピーと従業員名簿はしっかりと事務所内に保管しておきましょう。
また、従業員名簿に不備があると後日警察署まで出向く羽目になってしまうので、なるべく詳しく記載するようにしましょう。
尚、従業員の身分証明書は本籍入りの住民票を用意してもらうようにしましょう。
本籍入りのものでないと警察の方で身分証明書として認めてもらえません。
罰則
警察へ営業開始の届出をせずに営業をした場合は何らかの処分を受ける可能性があります。
刑事処分
・6ヶ月以下の懲役・100万円以下の罰金又はこれの併科
行政処分
・40日以上6ヶ月以下の営業停止命令 基準期間3ヶ月